彼を試す

koharu

2019-09-11
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毎朝の日課
「おはようございます」
お布団の中から送信する

私はAさんとラインを交換してから
数年間一度も欠かしたことはなかった

その言葉で二人の一日が始まる
そこから話を広げたり
小さなやりとりをしたり
長文を送ったり

その日の朝、私はわざとそれをしなかった
何の予告もなしに…

私はAさんを試したの
これがAさんへの仕返し

もちろん良心が傷んだけれど
私の Aさんにも同じ思いをさせたい
気持ちはそれ以上だった

Aさんはいつものように
ラインをくれた
「リカ、おはよう」
私は既読しない

そのうち異変に気付いたAさん
「どうしたのかな、既読にならないね」
「忙しいのかな」

「何かあった?心配だよ」
「こんな事初めてだね」

ラインが鳴る度
胸が締め付けられた

その日の朝は
いつもより時間が経つのがとても遅く感じた

午前中は既読も連絡もしないと
決めていたのに

やっぱり心配してる
どうしよう…

そろそろもういいかな

でもまだ3時間も経ってないよ

Aさんが会社に着く前に
安心させてあげないと

そんなこと関係ない
私だって毎回翌日の
仕事に差し支えるほど
心配しているのよ


いろんな葛藤があったけど
やっぱり
そこまで鬼にはなれなかった

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