開き直り

koharu

2019-08-23
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二度も着信
それも二度目は
しつこいくらいに鳴っていた

不機嫌そうにトイレから戻ってきたAさんに
とうとう私は尋ねた
「誰からなの?」
「ああ 娘からだったよ」
この時、直感で嘘だとわかった

私はAさんに嘘をつかれたことが
ショックだった
娘さんの名前くらい知ってるわよ
だってあなたが教えてくれたのよ
名前の由来までね

スマホに映し出されたのは
明らかに違う名前

もう一度聞いた

ここで本当のことを言ってくれたら
許すつもりだった

「ねぇ、ほんとに娘さんなの?」
「そうだよ 娘だよ、新しい浴衣が欲しいから
金を出してくれって くだらない電話だよ」


愛娘からの電話をそんな不機嫌に
くだらないなんて
言うはずがない

どうしても言わないつもりなのね
呆れたわ

その時よぎった

わかったわ!
makikoって奥様の名前
絶対にそうよ

私は騙されない
もうここからは黙ってはいない
「奥さんでしょ 知ってるのよ」
そう言うと
堪忍したように吐き捨てた
「着信の相手はそうだけど
要件は今言ったように娘の事なんだよ」


やっと奥さんだと認めた
だけどその態度は
開き直っているようにも見えた

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