恋の足音

日記
01 /11 2018


カルテへの記録のため
1人で残業していると
彼がやってきた
ポンと私の目の前に
何かを置く音がした

「はい、どーぞ」

「え?これ」

「頑張ってるから差し入れです」

それは缶コーヒーだった

「わぁ、ありがとう。こんなに優しく
されたら、おばさん勘違いしちゃうよ」

とおどけてみせた

すると彼は急に真剣な面持ちになり
こう言った
「自分でおばさんなんて言っちゃダメです
僕はそんな風に思ったことないですよ」

「えー ?だって もう40前だし
おばさんじゃない」

「もう、ほんとに怒りますよ
僕は山口さんみたいな人
タイプだし
結婚してなければ
彼女にしたいくらいなんですから」

「じゃあ 離婚しよっかな、ふふっ」笑

クールに振舞っていたけど
私の心臓はドキドキして
今にも飛び出しそうな
くらいだった

そして 彼が去った後

ガッツポーズをしながら
ヨッシャーと心の中で叫んでいた

今でもその缶コーヒーの
美味しさは忘れない

(私 結婚してなきゃ良かったな)

甘くてちょっぴりせつない味がした

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koharu

40代の主婦

婚外恋愛、失恋、
辛い日々を乗り越えることが
できた現在
優しく穏やかな気持ちで
自分の経験を元に書いています
暗くて孤独な迷路に入っても
きっと出口は見つかるから…